- 立ち入り禁止の小屋 -

昔私が子供の頃家族と住んでいたマンションのはなれには
小さな小屋があり、立ち入りが禁止されていた。

私は当時4、5才だったのでほんの些細な興味から
その小屋を友達数人と探検することにした。
事前に私一人で調べた限り、小屋は古びていて
鍵はかかっていなく扉は子供一人で開けるのには
重たいが友達数人と協力すれば簡単に開きそうだった。

探索決行日、怖くなったのか数人誘っておいた
友達が2人ほど来ずに結局3人で探索することになった。

そして3人の力で扉を押すが、意外に重くなかなか開かない。
しょうがないので私と友人一人で扉を押し、さらに
体格のいい友達に体当たりをしてもらうことにした。

「ドンッ」という音がしたかどうかは忘れたが
無事扉は開き私たちは中へ入ることが出来た。
私が先頭で進んでいくと、薄暗くてよく見えなかったが
井戸のようなものがちらっと目に入った。
と、同時に私は何かの力で前から後ろへ突き飛ばされた。
その力は強く、私の後ろにいた二人までもを吹き飛ばしたほどだった。

それから私たちは多分壁か何かにぶつかって大きな音を立てたのだろう、
マンションの管理人さんが血相を変えて飛んできて
私たちを見るなりお経のようなものを唱え始めた。
そのあとはなんやかんやであの小屋には鍵がかけられるようになった。

そこから先は記憶があいまいだが一つだけ覚えていたことがあった。
井戸のようなものがちらっと目に入った時、
それと一緒に井戸の淵に青白い手の様なものも見えたのだ。

戻る

Copyright © 2012 13怪談運営委員会 All Rights Reserved.