- 神社のお面 -

すごくどうでもいい体験かもしれないけど一つ。

小学校の帰り道に丁度神社があったので
子供だった僕たちは毎日そこでたむろして、
親が迎えに来るのを待ってそれから
各々親に連れられて帰っていく、というのが放課後の流れでした。

ある日、いつも通りみんなとたむろって遊んでいると
僕以外の子供はみんな親に連れられて帰ってしまい、
僕だけ神社に取り残されてしまい、
親が来るまでまだまだ時間のあった僕は、
物好きだったのもあり一人で神社を探索してみることにしました。

友達と一緒に神社を探検したこともありましたが、
せいぜい神社の周りを一周したぐらいで、
奥の方まで行ったことはありません。

以前から神社の裏という場所にすごく興味を持っていたので
さっそく草薮をかき分けて神社の裏へ行ってみると、
神社の裏には竹藪が生い茂っていました。
丁度その竹藪に子供なら通れそうなスペースがあり
当時の僕の体ならギリギリ通れそうだったので
竹藪に体をねじ込み、やっとのことで通り抜けたと思ったら
その先にまた竹藪があったので諦めて帰ろうとした、その時でした。
竹藪の手前に何か白くて丸いものが落ちているのが目に入り、
小学生だった僕は好奇心でそれを拾いに行きました。

近づいてみると、どうやらそれは小さい小さいお面のようなものでした。
大きさは丁度小学生の手くらいで、表には目のような模様と
鼻のようなものがありましたが、口はありませんでした。
僕はそれを手に持ったまま、どうしようかという気持ちと
これを戦利品をして持って帰ろうという気持ちが同時に押し寄せてきて
結局戦利品にしようという気持ちが勝ち、竹藪の道を元通り帰ろうとしたとき、
ふと神社の方に小学生の自分より小さな人影が見えました。

その人影はだんだんこちらの方に向かってきて
竹藪で姿は見えないものの、恐らく1mも離れていない距離に近づいたとき
すーっとこちらに黒い手のようなものが伸びてきました。

私はびっくりして手に持っていたお面を落としたかと思うと
その手が黒いお面を拾いあげ、人影は去っていきました。

そこからの記憶は曖昧なのですが、
多分いつもの通り親が迎えに来て一緒に帰ったんでしょうね。

ただ、後から聞いた話だとその神社で
小学生くらいの男の子の遺体が見つかったそうです。

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