- 警察官の友人 -

警察官をしている友人に聞いた話。

ある日の夜彼が交番で宿直をしていたとき、
小学校3年生くらいの女の子が駆け込んできたそうだ。
そのとき深夜0時を過ぎていたので
「どうしたんだいこんな夜中に。危ないから送っていくよ」と
彼が言い出す前に女の子が口を開き
ニコニコしながら
「お父さんがぶらぶらしてる」と彼に言ったそう。

彼は最初娘を放っておいて夜の街で
ランチキ騒ぎでもしているのかと思ったので
女の子にお父さんはどこにいるんだい、と聞いたら
「じゃあ案内してあげる」と言うので
女の子を放っておいて一人飲んだくれている父親を
叱ってやろうと彼は女の子に着いていくことにしたそうです。

女の子に案内してもらい
夜の街を懐中電灯ひとつで歩いていくと
だんだん住宅街へと向かっていくのが分かりました。

勘のいい彼はお父さんが夜の街で飲んだくれているのではなく、
不倫相手か何かの家で情事に耽っているのだろうと感づきました。

そしていよいよ女の子が案内した先は
普通の綺麗な家で、窓から明かりが漏れていました。
父親が不倫相手と情事に耽っている姿を
女の子に見せるわけにもいかないので玄関で待たせることにし
彼は玄関のドアを開けました。

幸い鍵は開いていてすんなりと入ることが出来ました。
彼は明かりの点いていた2階のベッドルームの方へ
階段を使って上がっていきました。
ベッドルームの扉は子供一人が通れるくらい開いていたので
彼は思い切って扉を一気に開けました。

そこには彼の思っていた不倫相手と情事に耽る父親など居ず、
天井から縄で垂れ下がった父親と思われる人の遺体がひとつ
"ぶらぶら"と揺れているだけなのでした。

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